「ムッソリーニと私」 ムッソリーニの愛人の視点から描かれたイタリア史。
愛人はムッソリーニと最後まで行動を共にし、スイスへの
逃亡中逮捕され、私刑に処された。結構迫力ある映画。
詳しく知りたい人には本が一番。
「戦火のかなた」 オムニバス。連合軍のシチリア上陸から、ナポリの挿話、
フィレンツェ市街戦、プロテスタントの従軍僧がカトリックの
僧院でみつけた静謐な祈りのひととき、ポー河で参戦した
パルチザンのエピソード等。
「祖国は誰の物ぞ」 イタリア無条件降伏後、ナポリの一般市民(子供達を含む)が
決起してドイツ軍を追い出す話。原題−ナポリの4日間−
イタリアはイタリア人が解放したと言われる由縁。
「サン・ロレンツォの夜」 ファシズモ対アンチ・ファシズモ。同国人同士が銃をもって戦う。
子供まで巻き込んで。
「暗殺の森」 流されて行く人生。圧倒的な権力に対峙したとき、
あなたはどういう選択をしますか?
「飛行士の帰還」 戦意高揚のために作られた数少ない映画。
器(cine citta)は作れても、映画製作を統制しつづけることは
できなかった。イタリア映画人のしたたかさ。
「無防備都市」 ネオリアリズモの傑作。同志を守るために死んでいった人々。欲にくらんで仲間を
売ってしまった人々。極限状態に立たされた人間を描く。
「ローマで夜だった」 飛行機から見たヨーロッパには国境がなかった。主義のために生命を賭する男達。
彼我の差異を考えてしまう。ちょっと格好良すぎるって気もするが。
私の親達の世代のイタリア観:「真っ先に降伏した弱い国」
でも、もし彼らがこれらの映画を見ていたら、認識を改めていたかも知れませんね。
ともかく、イタリアの事、いろいろ考えさせてくれる作品群です。詳しい内容はシネマ・イタリアさんへ。