★独断と偏見に基づくお勧めイタリア映画

  何故、イタリア映画?

   最初は、イタリア語勉強に役立てようと思って見始めた。だが、後では宗旨を変えた。
  イタリアをテーマにしたものなら、英語バージョンでもかまやせぬと相なった。
  何故って、言語の背景には文化がある。文化を理解することは回り道のようにみえるが
  実は王道なのではないだろうか。(何事にも理屈をつけたがるのが悪い癖。) 

  何たって、映画は大変な情報を持っている。だから、見て損をしたとか、見ない方が良い
  と思ったことは一度もないデス。(余りに眠くて放棄した映画とか、最後までみられなかった
  映画もありますが。むろん、ほとんどはビデオで見ました。)

  けれども矢張り面白いものの方が良い。何が面白いかは見る人次第だから、以下に述べる
  映画は独断と偏見に基づいてお勧めする作品です。見ていて面白い映画が後々まで心に
  残るわけでもないのですが。

  −−−お勧め度1(あいうえお順です。)--------------------------------------------------

    ああ、結婚           身勝手な男にほれてしまった娼婦。あれこれ算段してついに妻の座を射止める。
     いつか来た道          善人の兄弟が迎える無惨な結末。愛とは、家族とは?を問いかける映画。
    イタリア式離婚狂想曲     魅力的な姪と結ばれるために色男の男爵が大奮闘。これがおかしい。
    エーゲ海の天使         これぞイタリア人!という描き方がステレオタイプすぎるかもしれないが。
    越境者              イタリア人のもう一つの顔を描く。貧しくても助け合う人々。それをだます輩も。
    踊れトスカーナ!        現在イタリアで大人気の監督の作品。吹き出す場面が多い。
    カビリアの夜           時代を描写した作品。惨めすぎる「道」よりもラストで見ている方が救われるので。
    カオス・シチリア物語      これを見ると、シチリアに行きたくなる。
    崖                 面白い。往年の名優、ブレデリック・クロフォード。ラストが可哀そう。       
    恋はいそがず          よき時代のイタリアの家庭の様子がよくわかる。喜劇です。
    コレリ大尉のマンドリン(英語)こういう知られざる悲劇もあったのだ。イタリア人の描き方が紋切り型かも知れないが。
    ゴッドファーザー(英語)    全編、これ血塗られた作品ですが、海を渡ったイタリア人のもう一つの姿を見る。
    サン・ロレンツォの夜      ファシストとアンチ・ファシスト。同じ国民が血を流しあうイタリアの悲劇。
    死刑台のメロディ        えん罪による死刑を前にサッコは堂々意見を述べる。アメリカという国の一面を描く。
    ジョニーの事情         実話にもとづいた映画らしい。爆笑、爆笑。それでいてイタリアの一面を暴いている。
    戦火のかなた          連合軍のシチリア上陸とともに進行するパルチザンの活動。事実は小説より奇なり。
    黄昏にひとみやさしく      現代のイタリアを描く。これほどイタリアはアメリカナイズされているのか?
    父、パードレ、パドローネ    サクセス・ストーリーだから安心してみていられる。心にのこる一品。
    小さな旅人           イタリアの矛盾を描く作品。善意で動く彼にむごい結末。
    ニューシネマパラダイス    これでイタリア映画そしてモリコーネにはまった人の数は数しれず。
    バールに灯ともるころ     お節介な父親と成人した子の間に流れる時間。おのが姿に似ているかも。
    ブーベの恋人          子供のころ好きだった音楽だから無条件になつかしい。カルディナーレがかわいい。
    ベニーニのMr.monster    私は、喜劇に甘い。だって人を笑わせるというのは泣かすよりずっと難しいのだから。 
    マカロニ              ま、とにかく見て下さい。たのしいこと請け合いです。あなたがイタリア・ファンなら。
    ミラノの奇跡           何となくイタリア人のメンタリティがわかるような映画。
    無防備都市            これは戦後のネオリアリズモの元祖。
    息子の部屋            一介の旅人にはかいま見ることのできない日常生活が描かれている。そして・・
    ムッソリーニとお茶を(英語)  命がけで塔を守ろうとする英国婦人の姿に思わず涙してしまった。
    郵便配達は2度ベルを鳴らす はらはらどきどきのうちに進行する物語。リメイク版らしいが。
    誘惑されて捨てられて     シチリアのメンタリティを描く。深刻な内容なのに笑ってしまう。音楽がすてき。
    ライフ・イズ・ビューティフル  涙腺の弱い方にはおすすめできません。ソクラでスを同道して恨まれてしまった。
    ロザンナのために        おかしさとほのぼの感。これでジャン・レノのファンになってしまった私。
    若者の全て           これは残酷な話。ここまで残酷な映画を撮れるのは貴族の出身だから?
  ムッソリーニと私         サロー政権ってご存じですか?イタリア好きならこの程度は知っておいた方がmeglio
  マリア・カラスよ永遠に     オペラに関連するので、ま、ここにいれさせてもらおう。
    法王の銀行家          現代イタリア(バチカンを含む)の複雑な構造を垣間見させる映画。サスペンスとしても
                     面白い。
    僕の瞳の光           友人の言葉「こんなにやさしくては生きてイケナイヨ〜」とうそっぽさを批判しながらも
                    もしもこういう男が本当にいたらならと思ってしまう。」役得とはいえ、ロ・カショ素敵!
  僕は怖くない          これは映画館で見てください。南イタリアの麦畑におこる信じられない悲劇
  輝ける青春           戦後イタリア史を総括したような作品。家族と友情を二つの座標軸にして。

  第二次大戦関連の映画

   −−− お薦め度2の作品--------------------------------------------------------------------

  暗殺の森           日本にも似たような話があったかも。第二次大戦中の反ファシスト狩りの話
  アントニオ博士の誘惑    たまには喜劇も結構ですよ。普遍性のある笑い。オムニバスの一編
  あんなに愛し合ったのに   元パルチザンの三人の30年  対ナチのゲリラ活動で生死をともにした三人の男の30年。
  明日、陽は再び       大地震に襲われたイタリアの小さな町におきた様々な人間模様
  インクワイアリー           キリスト処刑から間近なローマ帝国の辺境の地を描く。(英語)
  神の大地 ストロンボリ   ロッセリーニ  Ingrido.バーグマン主演に価値あり。火山の迫力にも魅力
  カラヴァッジョ caravaggio   回想シーンと共にすすむカラヴァッジョの生涯(英語)
  カストラート             伝説のカストラート、ファルネッリ兄弟を描く。華麗な衣装がみもの。(英語)
  木靴の樹           貧しいけれども助けあって生きていく小作達の平穏な日々に訪れる悲劇的な結末
  靴磨き             靴磨きをしたお金で子供達が共同でかった馬、それを巡って悲劇がおこる。
  グラン・ブルー         海の魅力とお伽噺のような恋 、シチリアの美しい群青の海が素敵。(英語か仏語)
  汚れなき悪戯        この曲、いくたの女性の紅涙をしぼったことか。
  刑事              ピエトロ・ジェルミのいかす刑事。主役もやっちゃうなんて。だから監督はやめられない。
  心のおもむくままに     女性への警鐘、自分らしくいきることを、訴えかける。
  シシリーの黒い霧         独立運動の元山賊の死体が・・  シチリア島のロビン・フッドと呼ばれる男を殺したのは誰?
  自転車泥棒         敗戦後の貧しいイタリア。子供連れで盗まれた自転車を探し歩く男の最後の選択は?
  ジュリオの当惑       これじゃ、神父なんかやってられないのもわかる。現代イタリアの側面を描く。
  青春群像           無為に時を過ごす青年達を描く。アルベルト・ソルディが印象に残る作品。
  太陽は夜も輝く       王様に忠誠を誓った近衛兵が、王から愛人を下賜されようとして、神の道へすすむが
  天使の詩               母親に死なれた幼児二人。父は誠実に見守ったはずだったが・・・フィレンツェの風景が素敵
  鉄道員            私はこの曲が好きですので。最後のDai Marcacci!が耳に残る。
  特攻大作戦           パルチザンのeroi が反ファシストの砦を作ろうとするが・・・何か西部劇仕立てだなぁ。
  特別な一日          ヒトラーがローマへ初めてくる日、平凡な主婦が逃げた九官鳥をおって一人の男と出会う。
  ドイツ零年           戦争の悲惨さを子供を主人公にして描く。
  フェラーラ物語         ユダヤ人で同性愛の主人公が孤独の果てに選ぶ死。ポー川を渡るたびこの話を思い出す。
  星降る夜のリストランテ   リストランテの正餐に集う人々の様々な人生模様
  マラケシ・エクスプレス   旧友からの手紙がマラケシから届く。mediteranioのメンバーでつづる喜劇。フランス語に堪能な
                  方なら倍楽しめるらしい。
  皆元気            マストロヤンニの演じる父親に哀愁がただよう。おセンチすぎる気もするけど。
  道               音楽がいい。話はむごすぎるけど。
  モンパルナスの灯       モジリアニの悲しい青春。彼の兄はパリでレジスタンスをやっていたとか。本人もJ・フィリップ
                  ばりの美男子だったらしいですね。(仏語)
  ローマで夜だった      命をかけたレジスタンスの数々が全員contadini魂のわが日本との対比を考えさせられる。
  ロミオとジュリエット     衣装とオリビアの美しさがみものです。昔をしるよすがにもなる、興味ある作品。(英語)
  二人のトスカーナ      丁寧に描かれた子供の世界とトスカーナの風景が魅力。ラストの暗転が一層強烈に。

こうしてみると、お薦め度2には悲劇が多いですね。

-------お薦め度3の作品−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

明日を夢見て          映画出演が夢であった時代のシチリアのお話。一人で作ったオムニバスのよう。
イル・ポスティーノ        Massimo Troijiの最後の出演作品、亡命詩人に手紙を届けているうちに人生に立ち向かう
                  勇気を与えられた青年だったが
犬鼻                犬鼻と呼ばれる殺し屋が町の女に恋をする、だが・・・
偽りの晩餐           ホテル学校を卒業した生徒達がみた上流社会のスノブさ。
神の道化師、フランチェスコ   
教授と呼ばれた男        全編、血塗られた作品。ナポリの闇組織の抗争を描く、日本人には想像できない世界。
グッドモーニング、バビロン  ピサの職人の兄弟が、アメリカでの成功を夢見て渡米する。めげずに頑張る二人にチャンスが
1900年              地主と作男の間に芽生えた友情だが・・・イタリアの農村に関する知識がえられる。
ドッグ・イン・パラダイス     トトのかわいさ、と主演男優の魅力。現代イタリアの複雑な家族関係など、飛んでるはなしも。
苦い米              シルバーノ・マンガーノの代表作
薔薇の名前           宗教のもつ、狂気の側面と信者達とのかかわりを描く。
パンと恋と夢          ロロブリジータの若き日。なんとなく応援したくなる役だけど。
平和に生きる          アメリカ兵をかくまった村にドイツ人が探索にくる。平和にくらす村におこる悲劇
ベルディ              この方をぬきにしてイタリア音楽を語るわけにもいかないでしょうね。
ベニスで恋して          人生は一度だけ。後悔しない生き方をしていますか?
ミラノの恋人            ジュリアーノ・ジェンマ演ずる青年が、Stefania Sandrelli演ずるシチリア女性を恋するが。
屋根                屋根とは家を意味する。貧しい夫婦が曲折のうえ、多くの人の力で家を作り上げる。
ラ・トラビアータ          椿姫のオペラ
熊座の淡き星影         ヴォッルテッラを舞台にした家族間の悲劇を描く。イタリア語の聞き取りにはいいかも。
brother sun, sister moon   イタリア全土の守護聖人、フランチェスコの生涯を描く。法王庁のセットとしてシチリアの
                   モン・レアーレが使われている。

お薦め度も3になると、紹介の仕方が難しいです。これ以外にも沢山見ましたが、おすすめする心境にはなれません。
今後、あらたに出てくるかもしれませんが。

ただ一言いえること。映画には情報が多い。みて損はないとおもいます。例えイタリアに住んだとしても、みられない光景
とか物の考え方などがわかりますから。
 
 
 

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