7月31日 クシャダス〜サモス海峡〜パトモス島〜

ミコノス島の落日を見た後、船に乗り、寝ている間に船はトルコのクシャダスへ着いた。何故クシャダスへ寄港するかというと(エーゲ海クルーズなのに)クシャダスはローマ帝国時代の有名な遺跡・エフェソスへ行くのに便利だからだ。私達は数年前トルコを周遊したときエフェソスへ行ったので、クシャダスに行く必要はなかったのだが。クシャダスではなんと言うこともない半島を一周し、バザールを一通り見、回教寺院に入り、スタバでコーヒーを飲んだ。
          

暇つぶしにぶらつく人    2年ぶりに見たトルコの国旗  回教寺院の塔   港に集まる魚の群れ

クシャダス自体に興味はなかったが、二年前のトルコ・ツァーの最終日に、ガイド役の青年に「もう一度トルコに来る人?」と尋ねられた時、手を上げたのは私だけだった。ボスポラス海峡の地下を通るトルコ新幹線に乗れず、見残した大統領府やイスタンブールの名所にはいけなかったものの、再訪の約束を果たせたのはうれしいことだった。

私は、勤勉で親日的なトルコが好きなので、世俗国家に生まれ変わったトルコを、NATOには加盟させるがEUには入れない西洋ってなんなんだろ?ローマ帝国と異なり了見が狭い。

回教寺院の中には子供たちが10人くらいいて導師のような男性もいた。コーランを教えているようだったが一斉授業をしていたわけではない。

スタバで熱いコーヒーをテーブルに置こうとした連れ合いはそれをこぼして火傷してしまった。氷をもらい冷やし続けた。お昼は船へ帰って食事した。全食事込みのツァーなのでその方が経済的。経済的という観点ばかりで行動するのも味気ないが、寄港時間が短い島でお店を探し、料理を決め、食べてると出航時間が気になる。(乗り遅れたら大変!!別便でおいかけても追いつけるはずがない。)

                 
食事は常にフルコース やせたい人には目の毒 量も多い     指定席ではないので毎回違う人と話せる

船旅では、バスと違って移動中も座り続ける必用がない。寝たままで次の訪問地へ向かえ、トランクを積み下ろしする必要もない。太平洋を航海するなら窓からの景色にあきることもあるかもしれないが、エーゲ海クルーズだとあきることもない。(海好きの私は海をみているだけであきない。)常に一糸乱れぬ団体行動を求められるバス旅行と異なり、団体の成員間の結びつきもゆるい。非常に気が楽だ。

パトモス島へ
エフェソス帰りの人を乗せた後、船は一路ロードス島へ向う。第一次大戦後ドイツと組んでいたトルコはオスマントルコ時代の広大な領地を失い、(この辺の事情はトルコ旅行のページをご覧ください。)キプロス以外の全ての島を失った。(キプロス島はギリシアとトルコで折半した。)従って船からみえる島はすべてギリシア領土である。

   
サモス海峡は風も海流も早い。右がトルコ領        風力発電のための風車が島の尾根に並んでいる

オデッセイが故郷になかなか帰還できなかったわけ。
今私は、イタリア人作家ルチアーノ・デ・クレシェンソが書いた「オデッセウスを楽しく読む本」という本を読んでいる。その中に、トロイア戦争の英雄の中で唯一彼だけがなかなか故郷に帰れなかったのは海神ポセイドンを怒らせるようなことをしたからだと書かれているが、私たちがでかけた7月末〜八月初旬でさえエーゲ海には常時強風が吹き続けた。ましてや帰還に手間取り航海が冬にかかればエンジンのない当時の船で、多島海で海流の複雑なエーゲ海を乗り切るのはとても困難だったに違いない。

パトモス島で海水浴
パトモス島はキリストの弟子のヨハネが住んでいた島で、要塞のような巨大な修道院がある。希望すればオプション料金を払ってその修道院へ行けるが、私たちは行かなかった。(どうしても行きたいならタクシーに乗っていく手もあると見た。ただ狭い道なので渋滞したらまずいかも。。一般論としていえることだけど、このたびのクルーズにはオプションが多くて、その料金がめっぽう高い。個人的に行った方が安価に行けると思うけど下船のたびにオプション組が先に降りるので個人行組は時間の制約が多くなりかなりのリスクをおうことになる。)

私たちはクリスチャンではないから修道院へ行く(巡礼的要素が濃い)よりエーゲ海で泳いだ方がいいと思い、そうすることにしたが、水着を着脱するところがあるかツーリストの添乗員にきくと「この辺の人は車で来て海に入るからそのようはものはない。」とのお言葉。連れ合いは「無理だよぅ。」とあきらめ顔だけどあきらめきれない私。「バールのトイレで着かえる!!」と言い張ってビーチの近くの飲食店に入り「トイレを借りていいか」と聞くと「どうぞ」とのこと。(やった!!!)トイレで水着に着かえ浜辺に行き、その店のテーブルセットに座り飲み物とアイスクリームを頼む。ビールとおつまみなど食べるうちに連れ合いの機嫌もだんだんよくなった。(しめしめ)せっかく夏にエーゲ海に来たのだからで泳がなくちゃ一生後悔するだろう。

          

                 
パトモス島のヨハネが住んでいた洞窟近辺に造られた修道院  港の近くの浅瀬で泳ぐ私

私たちの他に同じ船に乗っている若い御嬢さん方や二組のご夫婦がエーゲ海での海水浴を楽しんでいた。(ほうら!!物好きは私だけじゃないんだって。)ビーチは結構傾斜があったので少し泳ぐと足が届かない、そして水温も結構冷たかった。時間をみてまたトイレで着替え、船に戻った。船でシャワーにかかり海水を落とす。

いよいよ明日は憧れのロードス島だ。

ロードス島へ