単なる神話だと思われていたトロイの伝説を信じ、徒手空拳の身から築き上げた全財産を投じて、トロイ遺跡を発見したと言われるシュリーマンだが(近来否定的な評価も書かれだした。)トルコ人にいわせると、遺跡の破壊者であり、埋蔵物を私した強欲爺だということになる。彼はめぼしいもの全てをドイツに持ち帰り、私立の博物館を作ったが、それらの出土品は第二次大戦中ソ連にすべて持ち去られ、現在エルミタージュ美術館に展示されているという。遺跡の価値は発掘された美術品だけにあるのではないのだから宝探しのために遺跡を無茶苦茶に破壊されたトルコの人が怒るのも無理はない。