軍楽隊の演奏を聴く
お昼には久方ぶりの和食を食べた。(旅行企画者の思いやりかも知れないが、私はトルコにきてまで和食なんか食べたくなかった。なんたって味がねぇ・・・トルコの人たちも来ていたがあんな食事を和食だと思われても困る。)その後軍事博物館へ行き、オスマン・トルコ時代の軍楽隊の演奏をきいた。
西洋諸国を震え上がらせたオスマン・トルコ軍には、名高い二つの組織があった。一つはスルタンの親衛隊である、イェニチェリ軍団であり、二つ目は軍楽隊である。イェニチェリ軍団は領内のキリスト教徒の家庭から優秀な少年を徴し、イスラム教徒に改宗させた後、精鋭の兵士にしたてた軍隊で、敵はおろか自軍の兵にも恐れられた存在だった。(抜刀して自軍の兵士に迫り、どんな激戦においても敗走を赦さなかったという。)
オスマン・トルコの軍楽隊のテーマ曲は向田邦子作の「阿修羅のごとく」で有名になった少し物悲しい曲だが、自軍の兵士を鼓舞するだけでなく、敵を畏怖させるために用いられたという。(戦はにぎやかにやろう、という趣旨でもあるまいが・・・)この軍楽隊の行進をきいただけで逃げ出した敵も多いというが、音響効果のせいだけではなく、事実トルコ軍が強かったからそうなったのだろう。(条件反射)
@ A B C
写真の説明
@ホールの中の舞台の後方が開く
A軍楽隊が入場してくる
B羊の角みたいな帽子を被った隊長、なんか強そうである。
C演奏だけではなく、斉唱もする。衣装がまた素敵だ。トルコ式ズボンはいささかもっさりしてみえるが。
わたし達が入場していたためか、滝廉太郎の「花」や他に2,3の日本の歌も演奏してくれた。
私は軍事お宅ではないが、時間が許せばこの博物館の展示をもう少し見てみたかった。平和、平和と言っていれば平和が保たれると思うほど楽天家でもお人よしでもないので。この兵士の人形の目は青かった。右奥にはたくさんの銃が展示されていた。
この後、ホテルに帰って一休み。トルコ名物ハマム(蒸し風呂)に行きたかったが、女性は入れない時間だったのであきらめた。(今もって残念である。)いつでも入れると思っていたらホテルによって設定時間が違い結局入れないまま帰国。トルコ風呂というのはローマ帝国時代のローマ人の置き土産で、ローマ式入浴方法の小型版みたいだ。
「ヨーロッパ体洗わず一千年」という言葉があるらしいが、キリスト教の禁欲主義がローマ式入浴を滅ぼし、不衛生な環境がペストなどの大流行をまねいたといわれるが、イスラム文化圏では、たまり水は飲まず、入浴を好み、礼拝の際にも手足を洗うという衛生上優れた文明が受け継がれたようである。
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