カッパドキアへの旅(旅行中もっとも強行軍だった日)

その2、コンヤからシルクロードを経てカッパドキアへ

この道は日本流に言えば2級国道なので余り舗装状態がよくない。しかし、いけども行けども草原というか、荒野が続く。
この草原地帯を延々と走っている時に、野原の真中に5つ星の中層ホテルがあった。私は「なんなの、これは?そもそもこんな何もないところに泊まる人なんかいるのかしら?」と思い、その5つ星も詐称ではないかと思った。

「あれはホテルが自分自身で勝手につけたんじゃないの?勝手格付けじゃないかしらん。」と大笑いしたが、後で考えると私の方が間違っていたような気がする。

夜には満天の星、朝には濃い朝霧、それが晴れると同時に視界一杯に草原が出現するのを見たら、感激したに違いない。私はなんと浅はかなことをいってしまったのだろう。(そのホテルがコンクリートとガラスでできた近代建築ではなく、パオだったとしたらいっそう素敵だっただろうと思う。)日本では決してみられない風景だから。
    
      @              A                B               C

写真の説明
@日曜日には家族揃って草原でピクニック。野草を摘んでいる。(政教分離のトルコでは太陽暦を採用している)
A時折放牧中の羊や牛をみる。馬ではなくロバにのった牧童をよくみかけた。
B再建された隊商宿(C)の対面にあった、歴史に残る英雄達をたたえた彫像と旗。どの顔も精悍だった。
Cシルクロードには盗賊も沢山でたのだろう。再建された隊商宿は石造りの頑丈そうな建物。中は博物館になっているそうだが、見学する時間はなかった。これをホテルとして開放するのもいいアイデアだと思うけど。

トルコの子供達
この隊商宿博物館の門前に大きな野良犬が二頭いた。私は食事の度に残したチーズとか肉を持ち帰って出会った犬や猫にやることにしているので(世の中のすべての野良犬は私の放し飼いしている私の犬なのです。)このときも彼らに近づき餌をやろうとしたら、小学校低学年くらいの女の子たちがわっと寄ってきた。「マダム、あちらにもいる。お腹に赤ちゃんがいる。だからこの絵葉書買ってお金頂戴。」といって離れなくなった。私は「私はお金をもってない。ごめんね。」と言って逃げかえったが(それは事実で、小銭すら持っていなかった。)後で考えると、彼女らは物乞いをしたわけではない。小さいながら家計を助けるために葉書を売っていたのだ。見上げた根性だ。同じ買うなら彼女らから買えばよかった。(ただし、自分たちで撮影するので絵葉書はほとんど買ったことはない。撮影禁止の場所のものは別として。)


旅の最後にイスタンブールで聞いた話だが、そこではまだ二部授業が行われており、授業のない時間に家計を助けるため靴磨きをして稼いでいる子供達もいるという。子供達の間にかなりの貧富の差があるようだ。でも、貧しさにまけず、懸命に生きている子供達が多いみたい。この国にはまだ明るい未来があるように感じた。



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今回の旅で一番笑わせられたのが彼等との遭遇。カッパドキアへの道中で、私達のバスと競うように抜きつぬかれつしながら走っていたスクールバスの子供達。わたし達を笑わせようとして、三人の子供達が窓ガラスに顔をペッタリとくっつけて走っていた。(この写真ではそのおかしさが余りわからないけれど。)バスが接近するたびにそれを繰り返す。トルコの子供達はサービス精神満点。小さくても、大きくても。