旅をいっそう感慨深くする本

                 
 注:著者名が書かれていない本は全て塩野七生さんの作品です。
          一部歴史書のページと内容がかさなっております。
Venezia
海の都の物語 イタリアの都市国家の中で最後まで独立をまもり続けたヴェネツィアの秘密がわかります。これを読むと見所がふえます。
緋色のヴェネツィア 衰頽に向かう時期のヴェネツィアを描く。今の日本にも参考になるのでは?
Firenze
神の代理人 法王アレッサンドロ6世はまさしくルネッサンス期の法王だ。判断力に乏しい少年達を手先にして、祭政一致国家を作ろうとした狂信的な僧サボナローラとの固唾をのむ対決の日々が一市民の目を通して描きだされる。
銀色のフィレンツェ

副題:メディチ家殺人事件 緋色のヴェネツィアに続く3部作の2部目
塩野さんが日本人だったってことは、私にとっては最上の幸せ、彼女にとっては不幸せだったように思えます。というのは、もしこのシリーズが英語かフランス語かイタリア語でかかれていたら、きっと誰かが映画化したと思うからです。 il magnifico と呼ばれたロレンツォの時代から3代下がった時代のフィレンツェの話です。

フィレンツェ職人通り
中嶋浩郎
アルノ川の向こう側(Pitti宮殿がある方)をアルノの彼方という意味でoltrarno、オルトラルノと呼ぶが、この地域は新開地で、いわゆるフィレンツェのイメージとは全く異なる地域であるが(ピッティ宮殿とカルミネ教会くらいしか観光名所もない。)華麗なフィレンツェを作り、支えて来たのがこの地に工房を開く職人達である。    場合によっては、オーダーメイドとか、見学もできるかも。
Roma
チェーザレ・ボルジア、あるいは優雅なる冷酷 チェーザレはルネッサンス期のアレッサンドロ6世法王の息子である。(カトリックの神父は結婚できない。それ故彼は法王の子ではなく悪魔の息子といわれたのだが。)彼は法王の意を受け、分断状態のイタリアで教会領の拡大に奔走する。マキァベリは彼の中に理想の君主の素質を見出していた。彼の「君主論」はチェーザレのためにかかれたと言われている。実は私、偶然に読んだこの本でイタリアにはまってしまったのです。
黄金のローマ 副題:法王庁殺人事件 ルネッサンス最後の法王下のローマを描く。ローマに住み着く人々を古代の虜にするその魔力を描く。ビジネスとしての宗教の側面も興味深く描かれている。
ローマ人の物語

面白い。見た目のボリュームに圧倒されるおそれがあるので、文庫で読む方がいいですよ。気兼ねなくアンダーラインもひけるし。西洋文明の源流であるギリシア文明と、その文明を崇めながらも、それを遥かに凌駕したローマ人達の物語です。 

★Milano
ルネッサンスの女たち 日本の戦国時代の女性と比べて、個性的かつ、能動的な人が多い。ミラノのIl moroと呼ばれたルドヴィーコの娘(庶子)カテリーナも私には魅力的に思えます。
背教者ユリアヌス
辻邦生
数奇な運命をたどった哲学者皇帝。政治と宗教の関係を考えさせる本でもある。
いいなづけ
A・マンゾーニ
アレッサンドロ・マンゾーニの国民的文学。イタリアとイタリア語統一に 大きな影響を与えた本。外国勢力に分割統治されていたころのイタリア。世俗権力や宗教が人々の日常にどうかかわっていたか、ペストの惨状、修道院のことなどがわかる。
ミラノ−霧の風景
須賀敦子
ちょっとイタリア語をかじっただけで「日伊のかけ橋になりたい。」なんて大言壮語
していた己が恥ずかしい。イタリア人の心の奥底にあるもの(人間の美しさ、哀しさ、雄々しさ等、民族をこえてわかりあえる部分)を描いている。
マンゾーニ家の人々 国民的文学「promessi sposi」により、イタリア統一に多大な貢献をしたマンゾーニを とりまく人間模様、当時の貴族社会を描いた作品。マンゾーニの2人の妻、彼に先だって逝った沢山の子供達。まか不思議な貴族社会 の道徳観。マンミズモ。女性の地位と権利。宗教の影響力の凄さなどを残された沢山の手紙を引用して描き出している。
★Sicilia
「シチリア島へ!」  
寺尾佐樹子著
シチリアのガイドブックは沢山あるけれど、旅行会社の目で書かれている ものがほとんどだがこの本にはそういう商業主義的な臭いが感じられない。
シチリアに対する愛だけが感じられる。全島の歴史、見所など大変参考になります。

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