レッジョ ディ カラブリアへの旅
入学後初めての日曜日。前日有料の浜辺で長椅子で昼寝し、中国式足裏マッサージとおいしいピザを食べて元気を取り戻した私はアンジェラ(寄宿先の奥さん)さんお勧めのレッジョ・ディ・カラブリアに行くことにした。
私の最初の目的はメッシーナ海峡を列車に乗ったまま渡ることだったけど海峡を往復するだけだと時間を持て余す。彼女一家は旅行会社をやっていたという話だから相談してみたら、レッジョディカラブリア行を勧められた。そこからは船でカターニャへも帰れるという。船が大好きな私は時刻表も調べずにお金少々と携帯電話、クレジット・カードさえあれば、何とかなるべさ、と思って先ず目抜き通りの銀行で現金を引き出し、出かけた。ラマンチャの男の主題歌を口ずさみながら。
バスでタオルミナ駅に出たが、窓口がしまっていて切符が買えない。しかもクレジットで買える切符販売機が故障していた。さすが観光で有名なタオルミナ、困っている面々がインターナショナルである。日本人(私)、左の女性(オランダ人)、英国人と中国人の夫妻。時間はせまるし、私は小銭を持ってなかったので現金用の切符販売機も使えないで困っていると、誰かがバールに行けばよいと教えてくれた。あわてふためいて駅の端にあるバールに駆け込んで、ジュースを買って小銭を入手したら、なんと、切符もそこで買えたのだった。(ジュース代損した。)
オランダ人の彼女は余りにも背が高いので少年だと思ってた。この日は列車にのってエルコラーノまで行って、遺跡を巡るといっていた。「貴方は日本人か?」と聞くので、そうだと答えると「シマノの自転車部品は大変優秀だ。」と褒めてくれたので私はすっかりいい気分になった。
今回の留学と旅行で出会ったオランダ人は皆感じのいい人たちだった。偶然にあった人がその国の印象を決める事も多いので私も自重しなければなと思った。
私の乗った列車が遅れると分かった時、誰も文句をいってはいないのに、ホームにいたイタリア人のおじさんが「イタリアの国鉄はいつも遅れて皆さんにご迷惑をかけ申し訳ない」と大声で謝っていた。おじさんのせいじゃないのにと思うとちょっとこっけいだった。私見だけどイタリア国鉄が遅れるのはメインの駅がターミナル方式になっているからじゃないだろうか?
列車の先頭部分で写真を撮っていると運転士にカーテンをしめられてしまった。短い編成なのに運転士が二人も乗っていた。これじゃ赤字になるわけだ。と言ってもイタリア国鉄は黒字だ。今も全土をカヴァーしてるし。
2年前もメッシーナに来たが、海峡をこえる暇はなかった。私はジュゼッペ・トルナトーレの「皆元気」という映画をみて以来、列車に乗ったまま海峡を渡るのが夢だったのだが、そのためにはユーロスターかインターシティに乗る必要がある。ローマに行くならまだしも、本土に渡ってもつま先のちょっと先までしか行かないのだからコストを考えて列車ごと本土に渡るのはあきらめた。船も好きなので、船にのれるだけでもいいやと思いなおした。
帰りはカターニャまでまた船にのれるんだし。
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