10/27 viterbo ヴィテルボ 法皇様の温泉がある町

ローマと言ってもひろうござんすの巻
この日、ヴィテルボへ行こうとしたが、テルミニ駅からの直行便がなく、混雑する地下鉄に乗って、***駅へ向かわなければならなかった。(旅も終わりに近づくと、計画の段階での詰めが甘くなるせいで、列車の発駅まで調べていなかったから、こういうことになったのである。(私には添乗員は務まらないわなぁ。尤も添乗員は旅程を自分で組んだりしないだろうし、事前踏破したりするのではないだろうか?)

ヴィテルボまではたいした距離ではないのに、ラッシュが関係するのか、列車は超のろのろと進む。バチカンの近くを過ぎると急に速度をあげ、雨の中をびゅんびゅん飛ばす。

駅についてみたものの、簡単な地図しかないので方角を定めながら城門をくぐる。(この町は、これが宗教者の居住地かと疑いたくなるほど頑丈で高い石の壁に取り囲まれている。(よほど威力のある大砲でなければこの壁をぶち破る事はできないだろう。)

この町は人気の無い町だ。あたりを見回しても廃屋ばかり。と言っても頑丈な石造りだから、朽ちる事はなく、ただただ、土と誇りが建物の上に積み重なっていくという感じ。

        
法王の離宮 城砦のような建物に続く美しい列柱が印象的         頑丈な外壁には監視カメラが

この人気のない町に、テレビ局のスタジオらしきものがあり、アナウンサーだかキャスターだかがガラス窓の向こうでスポット・ライトを浴びながらしゃべり続けていた。この近辺にはバールもなく、冷え込んで急に腹痛をおこした私は、量り売りをしていた、ハムとチョコレートの小売店に行き、トイレがあることを確認した後、チョコレートをかった。(このナッツ入りチョコレートは大変美味しくて早々に食べつくしてしまった。)

ヴィテルボには、ローマに最も近い温泉があり、歴代の法王が好んだのでTerme di Papi(法皇様の温泉)と呼ばれていて、ローマ空港にも大きなポスターが掲げられている。で、当然、この町の中にも温泉の案内所や、お土産品を売る店があった。(詳しい情報を調べてなかったのと、エスコート氏が拒否したので行けなかった。)

偶然会った地元の人に尋ねた店も、とても美味とは言えず(紹介してくれた彼に再度出会ったとき「おいしかっただろ?」と聞かれたのでSi'とは答えたが。)

    

石だけの世界に植物をみるとほっとする。               屋上から垂れ下がる蔦、窓には花が
                     この噴水のあるあたりが中心

帰りの列車には結構人が乗っていた。幹線ではないためか、ローマ中心部に近づくにつれ列車はのろくなる。外は雨。畑や林が続く。ヴィテルボからローマへはひたすら下がっていく感じだ。車掌さんは駅に着くたびに「ただいま○○分の遅れ。申し訳ございません。」と英語で繰り返す。(おかげで英語でのわび方をすっかり覚えてしまった。)バチカン関係の観光地だから季節によっては沢山の外国人が来るのかもしれない。しかし、私はガイド・ブックを読んで、大きな期待をもって出かけたのだが,正直言うと期待はずれの町だった。

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