10/27 ここ、本当にイタリアか?
スロー チッタ、オルヴィェート
ローマからインターシティに乗ってオルヴィエートについた。と言っても、この町はエトルリア人が作った、高台の上に広がる小さな町である。イタリアではスロー・チッタとして有名。自動車は町に入れない。人間の歩行速度にあわせて時が流れていく。駅の前からケーブルカーに乗って行く。(オルヴィエート・カードなるものを買うとケーブルも主だった見学場所も全てフリーパス。)
町はとても静かで、清潔で、ちり一つ落ちてない。本当にここ、イタリアの町なの、と疑いたくなる。(この町の住民はきっと公徳心が高いのだろう。)
素敵なカップルに出会う。
この町のメインストリートを歩いている時、素敵な中年カップルの奥様に声をかけられた。同じくらいの年なのにあどけない、可愛い感じの奥様で、銀髪のご主人も笑顔の素敵な方だった。「日本人ですか?」から始まって互いの年齢、どうしてここに来たのかなどと話しているうちに、彼女はイタリアが好きで、ラジオでイタリア語を勉強しているが余り上達しないと嘆いた。どうやらご主人もイタリア好きらしい。
私が、奨学生となってタオルミナへ留学した帰りだというと彼女は「いいわねぇ。」と身をよじってうらやましがっていた。「日伊へ通って、留学すれば。」と発破をかける私。
「エトルリア人が作った古い井戸の近くにおいしくて安い店があるのよ。」と教えてくれたが、折角の仲むつまじい旅の邪魔も野暮だから私は裏道を通って大聖堂へ抜けた。
時計塔から見た大聖堂。丘の上の小さな町の中心に、四階建ての建物に囲まれて建っている。オルビエートの周辺にはなだらかなトスカーナの丘陵が広がっている。
よっぱらったアタシ。時計塔の鐘を修理していたお兄ちゃんに撮って貰った。
人物が入ると大聖堂の大きさがよくわかりますね。若い方のお兄ちゃんが
アレッツォで彫り込んでもらったという右鎖骨下と脛の漢字の刺青を見せて「間違ってないか?」と聞く。
樹里亜と彫ってあったので「彼女の名前なの?」と聞くと「そうだ。」という。(まぁ、おあついことです。お幸せに。)美しく、静かで、食べ物も美味しい町で愛する人と暮らせれば言う事ないでしょう。ここはイタリアの桃源郷かも知れません。
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