10/23 久しく憧れし、エンナへ
シチリアの臍と呼ばれるエンナは、シチリアのほぼ中央にある。(出べそというわけか(笑))エンナは鉄道では行きにくい町だ。鉄道駅から町までバスに乗り換えなければならない上に、鉄道の便が少ないし、接続も悪い。数年前ピアッツァ・アルメリーナに行く時もバスの窓から小高いエンナを見ながら無念の思いをした。
今回もどうやってエンナへ行こうかさんざん悩んで、あきらめかけたのだが出発の数日前になってバスの時刻表をネットで調べているうちにカルタジローネからピアッツァ・アルメリーナでバスを乗り換え、エンナへ行くことができる事を発見した。そのときはもう、うれしくて嬉しくて、ネットで予約していたカターニャのホテルを解約し、エンナのB&Bを予約した。これで時間の無駄が省けたし、新しいルートで移動できた。
エンナではB&Bの場所を間違え、携帯で連絡したら家主が車で迎えにきてくれた。ジャック・ニコルソンに似た家主は私たちの評価を非常に気にしていたが値段相応の作り。エンナには予約サイトでとれるホテルが余りない。朝は給仕なしのシステムなので好きな時間に食べられる。早出が可能なところがいいと思った。今日もシャワーだけだったけど。
エンナで印象に残った事は見晴台からみた丘の上の町。雄大なシチリアの景色。大学があるせいか若い人もいた。ゴミの収集が追いつかないのかあちこちにゴミの山ができていて汚いこと、汚い事。イタリア人の公徳心を疑ってしまう。大聖堂には教会には珍しい半身裸のスフィンクスのような女人の彫刻をみた。アヴァンギャルドだったフェデリーコの影響かも。
丘の上に町があるのはマラリアを避けるためだとばかり思っていたが戦争や海賊の略奪から逃れるためでもあるようだ。
町自体は狭い。東西の軍事施設と大聖堂くらいしか見るものはないが、シチリアの雄大な景色と夜霧の中でオレンジ色の街灯の周りがボーっと光るロマンチックな光景は忘れがたい。(写真がなくて残念)何故かここでもおじいさんの二人連れが目立った。
家主のニコルソン氏はシチリア特産のリコッタ・チーズで作ったお菓子を持ってきてあげるといったが、イタリア料理は私たちには量が多すぎてお菓子までは食べられない上に、シチリアのお菓子は甘すぎるので断った。
彼に勧められてでかけたレストランではセコンド・ピアット以降存在を忘れられたらしく次の皿がでるまで30分も待たされてしまった。
なお、エンナからパレルモへはバスの方が便利だが、一日に一便しかないので乗り遅れると大変なことになる。切符を買った旅行社のおじさんに確かめると、電話でバス会社に問い合わせてくれた。聞いてよかった。ニコルソン氏の説明してくれた場所で待っていたら逃すところだったから。
これは美味しかった。コースで15ユーロ
だったが給仕に途中30分も無視され
たので出るときは二人で怒鳴りまくって
しまった。ちょっと可哀想だったかも。
エンナから見える丘の上の町。
シチリアでは大体丘の上に町が
ある。この空と雲の美しかった事
頑丈そのもののフェデリーコの
塔。要塞都市たる所以
フェデリーコの塔の反対側の突端にある城跡。これも頑丈そのもの。修復中だった。
中央部にはシチリアの雄大な景色が見渡せる場所がある。バールのトイレで水を仕入れ、スケッチをしていたら人が寄ってくるので困った。(この時に描いた絵は美術の頁にのせてあります。)