2008/10/21

イタリアの病院事情

前日の転倒で私は臀部に子供の頭ほどの青あざを作ってしまった。勿論左肘にも擦り傷と痣ができた。一番激しく打ったのが頭(生まれてこの方経験したことがないほど激しい打撲だった。)臀部の内出血のひどさから想像して頭に何の傷害も起こってないとは思われず、ホテルの女性社長に談判して病院へ連れて行ってもらうことにした。彼女の車にのってラグーザの病院へ行ったのはいいが、救急で見てもらうためにはトリアージュ(救急度によって診察順を決める)を受けねばならない。

名前、生年月日などをきかれ、擦過傷や打撲の痕を見せ、外科の診療の順番を待っていたら寒くてお腹が痛くなってきたので、(トイレは汚かった。)宿で休んだほうがまし、という気分になり、宿へ帰った。その朝、海外旅行保険に電話して、自分の保険でも検査と治療が受けられることは分かっていたが、宿は宿で保険に入っているというので、宿の保険で翌朝外科の往診を受ける事にした。

これまでの海外旅行では幸い病気にもならず、事故にも遭わず(タオルミナでは車にひかれそうになったが。)保険の世話になったことがなかったが、病院へ行かねばならないとなると又あの始末に終えない好奇心がわいてくる。私の知るところによるとイタリアの医療水準にはばらつきがあるという。変な診断とか治療されると困るなと思ったのも早々に退散した理由の一つだった。

見てくれ重視の国(服装には気をつけよう。)

ホテルで推奨してくれた「失われた郷土の味」という意味の名前のレストランへ行ったときのこと。平日だというのにお店はお客で一杯だったが、給仕が我々を案内しようとした時、上司のような女性が「待った」をかけた。「予約はしたか?満員だからダメ 」という。「ホテルMが勧めてくれたから来たのだし、予約が必要だなんていってなかったぞ。」というと「待ってくれ。」という。給仕は一度案内しかけたのだから空いた席はあったのだと思う。その時夫はジャンパー、私は七分丈のクロップ・パンツをはいていた。彼女の「待った」にはこの服装が影響したのではないかと私は思う。(トラットリアだが、矜持があってか、夕食を楽しみにきている他の客のことを慮ったか。にこりともせず、客を客とも思わない雰囲気があったのは確か。)不快になった私達はさっさと出て行き、ホテルに帰って苦情を言った。(オーナーは「ええ?そんなこと言ってましたか?」と驚いていた。)

イタリアでは田舎に行くほど外見で人を判断する。外見以外の情報がないとき、服装だけで判断されるのは仕方のないことだが、地方に行くほど、知的レベルが低くなるので、この傾向がひどくなる。相手が有色人種だというだけで変な優越感を抱く人が多いような気がする。

(今回の旅行で、私は、「無知な人ほど傲慢である」ことを発見した。)貧しさゆえに、包丁あるいは挟み一丁をもって故郷を後にし、世界の果てまでもでかける人々とは違うのに。遠来の客に対するもてなしの心なんか微塵もない。

転倒と食堂の対応で私のモディカに対する評価は随分下がってしまったがホテルの部屋からの景色とラグーザの景色は一見の価値があると思った。午後からは少々の頭痛をおしてラグーザへでかけた。ではお写真をどうぞごゆっくりとご覧ください。


古都は道が狭い。ミニバスが走る ragusaのサンジョルジョ教会
                    
拝観は四時から。少し小ぶりだ

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シチリア州立ラグーザ病院
ホテル内のテラスからの
夜景 
共通のテラスからの眺め 昼
ラグーザへはバスで。大聖堂
階段が荘厳な雰囲気を醸す。
階段中央に比較対象人物がいる
のですがお分かりになりますか?
ラグーザの上の町の一部には
深い谷が入り込んでいる。水道
橋のような美しい橋がかかって
いる。