2008/10/18 タロルミナからカターニャへ
1、家主さんとの別れ
岬のホテルから寄宿先に帰ると、家主夫婦からの置手紙があった。お葬式にでかけるので別れの挨拶が出来ないが貴方にあえてよかった、と書いてあった。彼らには本当にお世話になった。たどり着く前から携帯で連絡をしていたし、一人旅の最後でも携帯で助言を受けたりした。だから、彼らの長女を何とかして我家にホームスティさせてあげたいと思っているが、夫の同意がえられないのでそのままになっている。若い女性が老夫婦二人の暮らしに加わってくれれば清新な風が吹きこんでいいと思うのだけど。私の泊まった家には長年にわたり沢山の日本人が寄宿したので彼らが日本に来ると沢山の知り合いがおもてなしに集まるそうだが、なかなかホームスティを受け入れる人はいないようだ。
2、ATMの怪と天使
滞在中、隣人が笑い出すほど散乱させていた荷物を鞄につめこみ、処分できるゴミは屑篭に入れた後、私はバスターミナルに向かったが、手持ちの現金が少ない事に気づいた。鞄をひきずってウンベルト通りのATMにでかけ二枚のカードで現金を引き出そうと試みたが、ダメだった。理由はわからない。(つい先日までは問題 なく引き出せたのに。仕方なく、別の銀行で試みたがそこでもダメだった。終バスより一本だけ早い便でカターニャに出ようと思っていたのに何てことだろう。最後に思いついたのがウンベルト通りの両替屋だった。円の旅行小切手をユーロにかえることができようやくパニックから抜け出る事ができたので、両替をしてくれた女性 に「地獄で天使にあったみたいだ。」というと「地獄には天使はいない。」という。彼女の話では、天使は天国におり、地獄なんかには下りてこないそうだ。(地獄の管理者は悪魔または堕天使だそうである。)天使は親切だから時には地獄で苦しんでいる人を救いに巡回することもあるのかと思っていたが、そういう考えは浄土真宗的発想なのかも知れない。
3、タクシー料金
両替屋の女性に「こんな大きな荷物をもってバスでカターニャに行くのか?何故タクシーで行かないのか?」と聞かれたが予約していたホテルは駅の近くだし、タクシーを使えば何十倍も費用がかかる。第一この辺のタクシーにはメーターがついてないので適正値段が分からない。到着時深夜であるが学生割引で空港から寄宿先まで65ユーロだった。なのに、鉄道駅から寄宿先まで15ユーロ(チップこみ)、カターニャについたら暗くなっていたので宿は近かったが安全のためにタクシーに乗ったら、10ユーロ+チップで11ユーロとられた。ホテルから夫を迎えに空港往復した時には、待ち時間こみで42ユーロかかった。アラブ式に値切り交渉ができる能力と時間がないと納得のいく料金では乗れない。
しかし、タクシーを使えば不可能なことを可能にすることもできる。(例えば現在のイタリアには荷物預かり所が極端に少ない。タクシー運転手のコネを使えば、それを預かってくれるバールをみつけることもできる。)
3、世話の焼ける旅人
私は何度もイタリアを旅行しているが、一人旅は今回が初めてだった。だから初めて一人でATMから現金を引き出そうとした時も着いたホテルで部屋の鍵を開けようとしたときも相当心細い思いをした。(最初の土曜日に一人旅をと思いながら翌日に引き伸ばしたのはATM操作に自信が持てなかったからだ。操作を間違ってわけわからない事になったらどうしょうと思って。-二年前ナポリで現金を引き出せなかったにもかかわらず帰国後確認したら通帳の残高が減っていたという経験がある。)
ホテルの近くでタクシーをおりた後、建物を間違えてホテルの前を通り過ぎ、同名のアパートメントをホテルと間違え、ブザーを何度おしても誰も出てこなかったときには恐怖にかられた。駅から近いので治安が悪い、そして辺りはもう真っ暗だったから。私は携帯電話でホテルに連絡し、受付の女性が出迎えてくれたので無事にホテルにたどり着けたが、部屋に入った後も、外出しようとしても鍵が開かず、またもや受付に電話。おまけに昼間みた、エトナ山周辺にたむろしていた雷雲から発する雷鳴を上階の客の騒音と間違えて苦情をいってしまうし。(上階はなかった。)
一人旅はやはり大変だ。携帯のありがたさも良くわかった。(旅行の最後近くになってもう一度そのありがたみを存分に味わったけど。何しろ私はそそっかしい人間なので)
三ツ星ホテルだったが貴族の館を改装したとかで、駅にも近く綺麗なホテルだった。浴槽はついてなかった。
4、ホテル予約は博打に似ている。
2008年は為替が激変した年だった。旅行前には1ユーロが最高170円をこえていたのに旅行中には120円を切った日もある。カターニャで以前泊まったホテルには手が届かないので、クラスを一つ落として予約したのだが、クレジット・カードを利用して予約する場合、予約時点で課金されるサイト(例:expedia)とチェックアウト時に課金される予約方式のサイト(例:booking
online, venere.com)の二つがあって、(いずれも二日前であれば無料でキャンセルできる。)同じホテルを予約しても前者の方が幾分か安く泊まれる。ところが今回は旅行中に為替が大きく変動してしまったので結果は裏目に出てしまった。
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