07/04/14 アマルフィ→ソッレント→ナポリ

欠航


朝ホテルの前の桟橋を散歩していると、カプリから来た船が波にもてあそばれながら着岸し、客をおろすとすぐに出て行った。今日は10時の船に乗りポジター ノやソッレントで降りてぶらぶらしてからナポリに行くつもりだった。

ところが朝食の後、コンシェルジェが我々をみて、「今日は欠航だよ。バスで行くしかない。」という。えっそんんな〜!!!ウサギがとんでるわけじゃなし、 この程度で欠航するの?にわかには信じられなかったけど、桟橋は波に洗われて使用不能の状態になっていた。で、あわててバス停へ行き、ソッレント行きに のった。

雨模様だし、途中下車も面倒になり、ちょうど背痛がひどくなったこともあって、バスの一番後ろのロングシートにひっくりかえって寝たままソッレントへ。道 は相変わらず混んでいて、すれ違うためにバックしたり、道路際によったりをくりかえしなが、のろのろと走っていく。

窓から足下の絶壁を眺めるのも一興なんだけど、背の痛みには耐えられない。ロングシートに仰向けに寝て目を開けると、椅子の背もたれや天井は落書きだら け。この辺のセンスが私にはわからない。退屈紛れに書くのか?軽いノリで書いてるんだろうけど。途中から混んできたので仕方なく普通の席へ戻る。



ソッレント

ソッレントではvesvio周遊鉄道の駅のバールにスーツケースを預け、市内見物。ナポリ湾を望む絶景の地点(information centerもある。)に行ったが、あいにくの雨でよく見えない。この鉄道も沿線も非常に汚いので驚いてしまった。衣食足りて礼節を知るというが、貧しい から町が汚いのかしらん。雨にもかかわらず沢山のアメリカ人の団体客が来ていた。

ナポリ

ナポリ駅および駅前のガリバルディ広場の汚さも半端じゃない。鉄道を利用するのに便利だし、屋上のレストランからvesvioがみえるというので予約した Star hotels teminus側の入り口側は浮浪者のたまり場だ。このホテルの前にも、およそホテルと関係なさそうな貧しい身なりの人が沢山たむろしている。去年工事中 だったガリバルディ広場は工事が終わってもやはり汚いままだ。吐瀉物とかごみが舞いちって本当に汚い。ナポリでもう一回サミットをやったら綺麗になってい いかも。これじゃ本当に悪循環だよ。

カステッロ・ヌオーヴォ新城
市内循環のR2というバスに乗って歴史地区まで行き、去年入りそびれたカステッロ・ヌオーヴォ(新城)に入る。これはアンジュー家の城だが、頑丈な作り で、要塞にしか見えない。中を見物。結構面白い。地下はガラス張りになっていて何故だか沢山の骸骨がおかれていたし、居室部分には興味深い絵が沢山展示さ れていた。時間があれば一点ずつ、説明をよめたのだが・・・

スペイン王宮
まさか、ここまで豪華だとは思わなかった。ナポリの人々から過酷な税をとりたてて作られたのだろ うけど、先祖の血と汗と涙の結晶が現在では立派な観光資源になっているのは皮肉。だけど観光客は少ない。

ナポリは怖い町でとおっているので、団体旅行の観光客はここには来ない。ポンペイとかエルコラーノ、カプリ以外は大抵バスの窓からの見学になる。もったい ない。ナポリは本当にもったいない町だ。すばらしい観光資源に恵まれているのに、生かせないのだから。

天才的(?)スリにあう
結果論からいえば、やられるべくしてやられた、としか言いようがない盗難にあった。駅への帰り道、バスに乗ったら、変にべたべた近寄ってくる男が二人い た。私が必死になって遠ざかろうと動いているうちに彼らはソクラでスの方に寄っていった。

駅で降りてミネラルウォーターを買おうと網のチョッキのポケットに手をいれたソクラでスが「あっ、抜かれた!」と叫んだ。な、なんと昨夕おろしたばかりの お金をいれた財布をすられてしまったのだ。(ホテルの使い捨てタイプのカード・キーも)

ホテルに帰って、キーを再発行してもらい、次に警察へ行く。対応は親切でした。保険に入っていて良かったね。と言い合ったのだが、現金は補償の対象にはな らないことを後で知った。もちろん(?)盗品はいまだに帰ってこない。

網のチョッキを一番上に着て、網のポケットに財布をいれておけばどうなるか?天才的でなくても、プロのスリなら取れるだろう。そういえばバスの中で誰かが 「ladro(泥棒)!」と叫ぶのを聞いた。他人事だと思っていた私も馬鹿でした。要は油断です。

「命とられたわけじゃなし、よかった。よかった。」と励ます私。でも何だかうれしそう。(笑)だって私はいつも外国旅行中は幼児扱いされ、切符や現金を取 り上げられているから。

柔道なら「一本!」テニスなら「アドヴァンテージ1!」ってところ。しっかりモノと自任していた分よけいにショックが大きくて、いまだに立ち直れない部分 があるみたいです。(紛失しなれている私は立ち直りが早いのですが(笑))

マテーラのATMでおろしたお金のほとんど、といっても18,000円くらいをもっていかれてしまった模様。

相棒をなぐさめつつ、心は明日のカゼルタへ。

カゼルタの王宮へ