2007/04/09 油断の結果 一日を棒に振る
さぁ、今日はイタリア旅行の初日だ。張り切って駅まで歩き、ブリンディシ行きの切符を買う。なぜなら今日はpasquettaと呼ばれる復活祭の次の祭日
で、私鉄は動かないから、マテーラやアルベロベッロには行けないのだ。
因みにイタリア国鉄の時刻表で、bari -
alberobelloを入力すると時刻表はちゃんと出てくるがアルベロ・ベッロに行く電車はれっきとした私鉄(sud
est線)である。ただし、ホームは国鉄の敷地内のはずれにある。
用意した時刻表を示し、「この切符を二枚ください。」というと何故か女性駅員は首をかしげた。(その意味は後でわかった・・・)
とにもかくにもホームへ急ぐ。ところが乗る予定の電車がない。方々で尋ねても要領を得ないので時刻表にかかれている時刻に一番近い列車に飛び乗った。
二等のコンパートメントはがらがらに空いていた。
窓の外にはオリーブ畑、アーモンドの花も咲いていた。時々入るトンネルの中で電気が消え真っ暗になるが、長時間ではないので調べてつけようという気もおこ
らなかった。
初めてのる線なので、私は持参したイタリア旅行協会が監修した公式ガイドブックを開き、列車がどこを走っているのか調べた。(このガイドブックは地名表示
がアルファベットで、しかもかさばらない大きさなので個人旅行にはとても便利だ。)
先ほどとまった駅はgioa delle
colle(坂の喜び)だ。懸命に探してみると、なんとそれはターラントに行く路線にある駅で、列車はアドリア海沿いのブリンディシではなく長靴の足裏に
あたるCrotoneへむかっていることがわかった。
検札にきた車掌にきくと、「バリに戻るにしても今日は祭日だから午後3時まで帰りの列車はないよ。私鉄はお休みだからBrindisiに行くのも大変だ
し。ターラントについたら一番ホームに旅客相談室があるからそこで相談しなさい。」という。
なんて馬鹿なことをしてしまったんだ!!時刻表をみて間違いの原因が判った。乗る予定の列車のBari出発時刻と到着時刻を間違えていたのだ。発券係が首
をかしげた理由がそのときになってわかった。
ターラントへ着き、Bariへの切符を買って、旅客相談室へ行こうとしたら、なんと!!発車する寸前のBari行きの電車が目に入った。あわてて飛び乗っ
て(刻印を忘れた)みると何と先ほど「今日は祭日だからBariへ行く電車は午後3時までないよ。」といった車掌がのってるじゃありませんか。うそつ
き!!!!
綺麗な車内にはその車掌だけではなく、他に3人の車掌が乗っていて、四人でトトカルチョの予想などをしていた。先ほどの車掌はわるびれた様子もなく、「刻
印を忘れた。」というと切符にサインをしてくれた。彼は午前だけの勤務なのか、途中駅で降りていった。
Bari見物
(カメラを盗まれて写真をのせられません。
bari
のwikipediaで見てください。)
Bariでは港を見に行った。後はお定まりの司教座教会、それにフェデリーコU世が建築した城。フェデリーコU世の城は、城というより、要塞で、船を模し
たような舳先がついていてユニークだ。規模は大きくはないがフェデリーコU世に関心をいだかせるような面白い作り。
夜沢山食べるのは健康によくないので、お昼に少し多めに食べようとトラットリアを探したがあちらでは海を見ながら食事をするという発想がないのか海岸端に
は食堂がない。一つだけ気に入ったものがあったが、小復活祭の日なので予約で一杯だと断られ、次善、そのまた次善の店も断られた。”クリスマスは家族と共
に、復活祭は友人
と”すごす伝統が今もしっか根付いているのだろう。
めぼしい店にはすべて断られ、ホテルの近くのゲバラの旗のようなものをテレビの下に掲げているビリテリア(ビール・バー)で食べた。フルコースで一人20
ユーロだったが3皿目でギブアップ。セコンドのビーフステーキもお菓子もあきらめてしまった。
店には労働者風の独り者ばかりがいた。隣のおっさんは、セコンドはもちろん大きなチョコレート菓子までぺろりと平らげて特大のメロンもコーヒーもすべて胃
袋にしまい
こみ平然としていた。恐るべし、イタリア人の胃袋!!
あんなに食べるんだから太るわけだわな。
この日はもう一つ別のハプニングが。
ソクラでスの靴の底がはがれてしまった。修繕しようにも材料がない。疲れによるのか、私にはものもらいができてしまい、薬局で子供用の軟膏をかった。(イ
タリアの薬は日本人には強すぎると聞いていたから。)
今回の旅行はハプニング続きなのであった。
後で調べたところによると、列車の乗り間違えに気づかせてくれたgioa delle colle
の近くにはFederico二世の作った興味深い建築があると書かれていた。
しまったな。知っていたらターラントまで行かず、それを見にいったかも。
Barinについての補足
バリはVenezia, Dubrovnik(アドリア海の対岸)ギリシア航路で有名
Bariのサンタ・ニコラ教会は、サンタ・クロースで有名なサンタ・ニコラの聖遺物がおさめられており、光の祭典でも有名。どうせ行くならそのころいけれ
ばいいんだけど。
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