SCIACCA その2
温泉にて
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ここシャッカには、シチリアで一番大きいという温泉がある。
日本の温泉のようなものではなく、医者の診断を受けてから、治療する為の温泉だというのは、イタリア映画ででも知っていた。
朝食は近くのバールで済ませ、B&Bのタオルと娘に借りたビキニを持って、
街の南東の温泉まで歩いて行った。
出発する前に、娘に、体の線や余分な肉を隠す為の水着を着るのは 日本人だけだから、これを持って行け!と、渡された超ビキニ。
30年ぶりのビキニ、
怖くて、鏡をみられない・・・・
まず、温泉の受付で、身体の症状を言う。どこも悪くない私は、"ここシャッカは、階段が多いので、足や腰がだるい。そして、年のせいか、肩がこる。"と言った。そ
れでは、泥のパックと、マッサージがいいと、言われ、40ユーロ
程支払い、その後ドクターの部屋へ案内された。
診察室の前に座っていると、一人の女性が声をかけて、ここでのシステムを教えてくれた。
看護師さんに呼ばれ、中へ入ってみると、まるっきり病院。温泉の施設とは思えない。血圧を測り、聴診器で診察された。
ドクターは、どうも私が、肩の凝りを治すために、わざわざ日本から来た、と思っている様子。私は、"ちょっと旅行のついでに寄ったんです。"と言うが、病人に接するように、泥パックは身体に負担がかかるので、朝食を何時に摂ったか?コーヒーも飲んだか?と、質問し、結局あと2時間後にしましょう、と。
仕方ないので、庭の椅子に座り、泥
パックの時間を待っていると、さっきの女性に出会っ
た
彼女はLiane といい、ドイツ人だけど、36年前にイタリア人と結婚し、パレルモに住んでいる。どうも背骨が曲がってるせいか、腰痛がひどくパレルモの医者から、シャッカへ一週間ほど行けば治ると言われ、一人で温泉の隣のホテルに逗留している。そして、彼女は午前は泥パックと、マッサージ、午後は温泉プールで泳いでいる。
私は、へえぇぇ・・そんなんで背骨のゆがみが治るの?と思ったけど・・・
Liane は私に"貴女も一人なら、午後はプールで会いましょうよ!"と誘ってくれたので、もちろんOKした。そして、プールの場所を聞く為に、彼女に連れてもらった。
受付と更衣室を覗き込んでると、係りのお兄ちゃんが、
" 帽子もってる?"
" えっっ??"
" 泳ぐ時の帽子だよ、持ってる?"
" 私は日光浴がメインなので、帽子は持ってないけど。"
" ええ??帽子もってないの!?!"
" はあぁぁぁ"
" 日本では帽子なしでプールに入るの??"
" はあ・・・じゃあ買います。"
" ここは、プール、帽子は売ってないよ!"
とまあ、こんな会話が続き、何故そんなに、水泳帽にこだわるのか、水泳帽ってそんなに、大事なものだったのか?
あんたら、ええかげんなシチリア男やろ!!!
と言いたかったが・・見かねたLiane は、私に持ってる帽子の一つをくれた。
そして、Liane
と16時にプールで約束をして、予約している泥の部屋へ向かった。ま
ず、ビキニに着替え、全身に熱い熱い泥を塗られ、ビニールで包み、約
15分そのまま、すごい汗が出る。その後、シャワーで流し、マッ
サージ室へ案内される。
ベッドに素っ裸で寝さされ、表と裏全身をパチパチたたかれる。
これってマッサージ? たたくだけ?
これは大阪弁で言うところの
パチパチパンチでした。