料理のレッスン
 
Naoko さんに紹介してもらった先生はMaurizio と Patrizia というカップルで
二人とも 特に料理の仕事をしているわけではないが、シラクーサ人なので
郷土料理 には精通している。何よりも料理が趣味という二人。
 
その日は 学校から帰って、昼食後昼寝をしてから、彼等の住む新市街地まで
約40分 歩いて行った。
 
過日お二 人と面談し、私の希望を伝えた。
ここ Siracusaで驚いたのは、野菜の種類の多さ、安さ、甘さ。
そら豆も 生で食べられる・・・
特に興味 を持ったのが、ズッキーニの花。

fiori di zucchini

ぜひこれを使った料理を知りたい。
そして、 この地でしか手に入らない食材を使った料理を知りたいと。
 
授業の進 め方としては、彼等が別々の料理を次々と作っていくのを
見学する 方法で。
二人と も、特にレシピを書いてるわけでもないので、私は解らないイタリア語を
辞書で引 きながらメモをし、食材の値段、どこで買ったのか、違う材料なら
何が良い か等、次々と質問し、写真も撮りながら・・・
こっちも 結構忙しい。
 
どこの国 へ行っても驚く事は沢山ある。
我々日本 人の生活スタイルと違う所は山のようにある。
で、こう してMaurizio と Patrizia が黙々と料理している姿を目の当たりにして、
やっぱり 驚く事の連続。

料理好き の二人にしては、包丁もまな板も、おままごとサイズ。
"玉ねぎ は小さくみじん切りにするんだよ!"と言いながらすごく粗い。
私は自分 の自慢の包丁と、銀杏の木のまな板で、超スピードの
玉ねぎの みじん切りを見せたら、この人達は腰を抜かすやろうなあ・・・
なんて、 考えながら・・・・
 
そして、 火を使うので、だんだんキッチンの温度が上がるが
決して換 気扇をつけない。
臭いもこ もって来るが、廊下へのドアも開けない。
"臭いが あっちへ行くからねえぇ"と言いながら。
手元明か りもつけない。
自分の料 理の一品が終わると、残ったものは全部捨て、
ガスレン ジをきれいに拭く。
Maurizio が作った料理で使った野菜のブイヨンは、Patriziaの料理にも
使うはず なのに、捨ててしまう。それで、又Patriziaはブイヨンを作る。
へ えぇぇ?もったいないやん!と私は思ったが、彼等のやり方に口出しはできないし。
 
キッチン の温度が上がりすぎ、彼等は冷えたワインを飲みながら、料理を作ってる
横で私 は、汗だくで倒れそうになっていた。
 
約1時間 半後、三人で、出来上がった料理をワインを飲みながらいただいた。
残った料 理は捨てようとするので、私は
"あっ、 持って帰ります!" と容器に入れてもらった。



この写真 はピスタチオのフジッリ、日本では手に入らない生のピスタチオだが
買い込ん だので、日本で友達にも作ってあげたが、好評でした。
 
レストラ ンの味ではない家庭料理の味を知ることが出来たのは私にとっては
大きな収 穫だったが、さて日本では食材の入手が困難なものは、どうアレンジするかが
一番の課 題・・・・
 
次回の レッスンの約束して、料理の残りを持ってクタクタになりながら
Naoko さんちへ行く。
どうし て、見学だけの私がこんなに疲れたのか・・
あの時 キッチンは45℃を越えていただろうからなあ。
 
Naoko さんの家で冷えたビールをもらい、愛犬のアント君も一緒に
出来た料理を試食し、ホッと一息。

 
学校の勉強よりもずっとずっとハードな一日でした。


次へ

留学記目次へ
  top pageへ