060517 サン・カルロ劇場で「オテロ」を見る

私はオペラ通ではありませんが、野次馬なのでイタリアでオペラを見るのが
すきです。絵画とか彫刻とかばかりみて音楽を無視するのではかの地の方々の
楽しみの半分を見逃すような気がしますので。

ナポリにはイタリア三大オペラ劇場といわれるサン・カルロ劇場があります。
ここでオペラを見ないというのは残念至極、
日本をたつ前にネットでサン・カルロ劇場のサイトをみてみました。
するとあったんですねぇ、17日に公演が。

テアトロ・サン・カルロのサイト

みたいとは思ったけど、何せ、風の吹くままの気まま旅、おまけに疲れてくると
ぶーぶー文句言う(彼は時差に弱い。行きの飛行機で寝てしまうのがいけない
のに何度いってもねてしまう。)ソっちゃん。成り行き任せにしたいので
現地で買えたら見にいくことにしました。


幸い17日の朝でも切符を入手できたので行ってみました。ここには所謂
天井桟敷がなく、平土間以外は皆ボックスシートでした。

royal box di san carlo
ここはロイアル・ボックス
お偉方が細君連れで来ていた。
もしかして新大統領?

売り場の兄さんが
言ったとおり、大変みにくい席だった。身を乗り出すと落ちそうで怖い。
parcoscenico di san carlo

ボックス(部屋)はかなり広いが、舞台をみるための手すり際には
椅子が三脚だけおかれて、私たちの他に誰もこなかった。

これならよし、退屈になったり眠くなったら奥に引っ込んでねてりゃいい。

tennjo   tennjou

舞台よりも天井に近いボックスだった。

curtain call

カーテンコール
40分上演しては20分の休み
なるほどオペラは社交の場だ。
デスデモナ役のアリアは切々と
歌われ胸を打った。(意味はほとんど不明!!)

食堂

幕間にはおくのバールで飲み物を飲んだり
軽食を食べることができる。アーモンドの
ジュースがいい香りでおいしかった。この日の
夕食はここの軽食ですます。だって食べ過ぎたら
寝ちゃうもんね。オペラがはねたのは十二時すぎ。
それから食べたら今度は胃にもたれるし。

オケボックスと平土間

野次馬の私は、この日一番の美人を探す。
最前列にピンクがかったオレンジの美しい衣装を
きた女性がいた。この人がミズ・ナポリときめたのだが
バールのある部屋で間近にみてがっかり。美しいのは
衣装だけだった。ここはパレルモのマッシモ劇場と違い
若人とか家族連れが少ないせいか?

劇の途中で拍手する人がいると
「シーっ」と阻止する声がおこる。
ながらく閉鎖していたマッシモ劇場と違い、
伝統的な観劇マナーが
生きているからかも知れない。

そのほか印象に残ったこと。

席の案内係りが若くてきれいな女性ばかりだった。

なぜか消防士が防火服をきて、ヘルメットまで被って
廊下にたっていた。あれは一種の失業対策かしらん?

観客の服装はというと、ややダサい感じ。
古めかしいスーツ姿で余り色の好みも
垢抜けてるように思えなかった。

日本とは異なり、幕間にトイレに行く人が少ない。
私たちの階にはトイレが両端2箇所にしかなく
一方は壊れてしめられていた。トイレといっても
4畳くらいあるが一人しか入れず、しかも婦人専用ではない。
(日本じゃ考えられないことだ。)

オペラがはねたのは翌日の午前1時。
外にでると街灯が明るく灯り劇場から
吐き出された人は三々五々連れ立って歩いていたが
そのうち、おのおのの車の中に消えていった。
私たちは用心しながら(タクシーでかえろうと
いったんだけど、乗るほどの距離ではなかったので
押し切られてしまった。)宿まで歩いて帰った。

続く