060517ナポリ午後

○ナポリ国立考古学博物館へ

カポディモンテから考古学博物館までは
比較的順調にいけた。空港でもらった地図の
利用の仕方になれてきたからだ。その上考古学
博物館は交通の要衝の地にあるため、経由するバスが多い。
余り待たずにバスに乗れ、辿り着くことができた。

スリ???このバスの中には
スリだとしか思えないおじさんが乗っていて、周囲の人から
非難を浴びていた。私の後からのってきたのだが、私が背負った
リュックにふれてきたのだ。大体ナポリの人はわれわれとすれ違う
ずいぶん前から手が触れ合わないようにか(?)それとわかるほど
手をひっこめて近づいてくるので(人種差別かといやになるほどだ。)
必要もないのにリュックにふれてきたこと事態が異様におもえたのだ。
(彼は私の後から最後にのってきたのでやむを得ず触れたという
言い訳はなりたたない。)戦果をえることなく彼は2,3先の停留所
でバスを降りていったが・・

ちなみにナポリでは一度もバスの中に検札がこなかった。あんなに遅れる
バスで検札したら、乗客の不満の矢面に立たされて袋叩きにあうからかも。

博物館で、午前中に探し回っても買えなかったアルテカルタを買うことができた。
博物館のバールで簡単な腹ごしらえをした。

(バールの在りかをたずねようとしたら係員が東京に留学していたと言う
日本語を話せる係りを呼んできてくれた。彼は丸覚えといった感じで
階毎の展示品の説明をしてくれ、最後に「会話の練習台になってくださって
有難う。」といった。かの有名なナポリ東洋大学の学生ではないそうだが・・・)

西洋の博物館は巨大で、収蔵品も多いから、計画的にみないと時間が
足らなくなる。で、地階のエジプトの遺物はパスし、上階からせめることに。
(一つには修学旅行生が多くて彼らと一緒に移動したくなかったから
なのだが、結局どこに行っても近郊の小学生やフランスから来た高校生などと
一緒に見学する羽目になってしまった。無論大人の見学者も多い。)

○考古学博物館を見ずしてポンペイを語るなかれ。
昔、ツァーに入ってポンペイの遺跡を見学したとき、
いたるところレンガ造りの建物ばかりで
まさに廃墟という感じをうけた。そのときのガイドさんは
「ここで発見された美術品はすべてナポリ国立考古学博物館に
収蔵されています。」と説明していた。それならいつかは
考古学博物館へ行ってみたいとおもってはいたが
行ってみて納得した。ポンペイの遺跡は言って見れば
歯の抜けた口のようなものなのだと思った。
ご覧ください。美しいこのモザイク群を!!
(ただし、実物はこの写真よりもずっときれいです。
ソっちゃんには申し訳ないけど。)

モザイク

こんな豪華な壁は今でもそうはないでしょう。

モザイクの柱

柱にもモザイク。この色といい意匠と言い
加工の巧みさといい本当に全人類の
宝物だと思いました。

アレクサンダーのモザイク

有名なアレクサンダーとダリウスの戦いの場面
ピースがとても細かいので絵みたいにみえます。
これは門外不出でしょう。これをみるだけでも
ナポリに行く価値があるとおもいます。

魚のモザイク

このリアルさと構図、色
実物はもっともっときれいです。
まるで図鑑をみてるみたいに正確だし。

一階に展示してある古代彫刻群にも
度肝を抜かれてしまいました。

古代彫刻
大理石を彫りぬいたもの
ミケランジェロでなくても
感激しますよね。人間業とは
思えません。

     巨大彫刻

こういう巨大彫刻をみていると
アフガニスタンのギリシア神殿に
ゼウスの巨大な像がおかれていた
という話を疑う気もうせます。

古代彫刻の間

一階はこんな感じの彫刻の間
よくまぁこんなに集めたもんだよ。

手わざというものは、人類の進歩に
比例して発展するとは言えないのだなと
思ってしまった二時間でした。

続 く