フィレンツェ五月音楽祭

     夏のイタリア人は概して機嫌が悪い。(断定するとまずいかも知れないが、少なくとも私には
   そう見える。)
      「他の連中がバカンスを楽しんでいるのに、この暑い中、汗水たらして働いて笑顔でいられるか」という感じ。
     一般庶民までが長期バカンスを楽しめるようになったのは、かのムッソリーニ様のおかげと書いた本を読んだ
   ことがあります。(だからか彼を評価をするイタリア人も現にいる。)
     バカンスへ行けない人にも楽しいプログラムが用意されているのがうれしい。

  (演目は音楽だけではありません。バレーなども。4月から9月まで、teatro comnaleなどで
   公演されます。ネットでも予約できます。)

  シニョーリア広場で行われるオーケストラは無料ですが立錐の余地もなくなる。

  石畳の上に長時間座るのもかなり辛い。隣ののアメリカさんは椅子代わりに宿の折り畳式の鞄おきを持ってきていたが
  組み立てて座ったとたん、怪音とともにこわれてしまった。後で弁償したのかしらん?
    前に座ったアベックは音楽など聴かず、キスばかりしていた。疲れた表情の青年はキスするたびに私の方を振り返る。
  正装してかしこまって拝聴している日本と違って音楽が生活の中にしみこんでいるっていうことかな?

   

    写真は、ベッキオ宮殿前の彫刻が置いてあるロッジャでの
  演奏会の様子です。
  
  シノーポリ指揮のベートーベン、シンフォニア9番、演奏は
  フィレンッエ五月祭管弦楽団と合唱団
  
  この演奏会はRAIで放送されました。

  シノーポリ氏の早逝を悼みます。−2001年4月

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