6、書評

    「ズボンがはきたかったのに」・・・・・・・・・・・・ラーラ・カルデッラ 千種堅訳
                             シチリアの男尊女卑、DMのすさまじさは有る程度衆知のこと
                             であるが、当の女性達がそれを記した物はなかった。
                             ラーラのこの書はイタリアではベストセラーになったそう。

                             続編「結婚すれば分かること」も訳がこなれていて読みやすかった。

    「マフィアとの死闘」・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ジュゼッぺ・アヤーラ著
                                                                  シチリア生まれの三人の検事のマフィアとの死闘を記した書。
                             訳がこなれていないわけではないが、ものすごく厚い本で、残念ながら
                             途中で放棄してしまった。でも前半を読むだけでも沢山の情報が得られる。
                              
                             シチリアについて、マフィアについて

    「君はグラムシを知っているか」・・・・・・・・・・・サルデニャ生まれで獄中死したイタリア共産党の頭脳の伝記。
                             この人のおかげでイタリア共産党は教条主義に陥らなかったとか。

    「イタリア共産党賛歌」・・・・・・・・・・・・・・・・・・塩野七生著
                             「イタリアには二つの非現実的な組織がある。一つはバチカン、
                              もう一つはイタリア共産党」というのが筆者の考えらしい。
                             イタリア共産党には人間の顔をした共産党という評価もある。

             ”能力に応じて働き、必要に応じて取る”という共産党の思想は、元々聖書から出ている
−−共産主義者は神様に頼らずこれを地上で実現しようとしたのだが・・・・

        ルネッサンスのフィレンツェでは宗教によって地上の天国を作ろうと試み、火刑に処せられた僧サボナローラが出現。        地上の天国はどうすればできるのだろうか?

     ベルリンゲルは貴族の出だとか、全くイタリアという国は面白い。
                             
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