団欒
今だから明かそうという話ですが、ベネちゃんがスティしていたとき、ソクラでスは単身赴任していました。
ただし、仕事の関係で赴任先と自宅の生活は半々位の割合でしたので、それ相応のふれあいもあったの
ですが、夕食後、ジロベェが二階へ上がってしまうと、私とベネちゃんだけがリビングに残るという場面
も多かったのです。もっとも彼女が来てからは彼も食後リビングに残ることが多く、そういう意味では
彼が彼女の来日を一番楽しんでいたかも知れません。
(イタリアでは夕食の時には食事中も食後も皆で群れて近所の人もまじえて話に花をさかすそうですが、どう
逆立ちしても、私にはこのまねはできません。)
ソクラでスがいる日は簡単。先ず、お酒をのむ。食べた後も彼がマジックやったり、折り紙をおってみせたり。
彼女は、日本語を使いたくてきたわけですから、色々はなしかけてあげたらよかったなと思いましたが、食事
中も、ほとんど私が一方的に話すばかり。「ベネちゃんも何か話しなさいよ。」と言ったら、「だってジロベェさん
だって黙ってる。」という。うん、確かに、彼はテレビみてにやにやしているだけで、間が悪いなんて思わな
いらしく、特に話題を提供するでもない。話題を提供しようにもベネちゃんが来る以前にはイタリアに興味が
なかったのだから、これは致し方がないかも。年は一つしか違わなくても男の子だし。
ま、テレビを見ながら黙々と食事なんてイヤな習慣だとは思うけど残念ながらこれがソクラでスがいない場合の
我が家の常態でした。私と言えば、食後はなるだけ早くお皿を洗って自分の好きなことをしたい。(毎日お祭りをす
るわけにはいかぬ。)うーん、ベネちゃんもとんだ家にきたものだ。かわいそう。で、お皿を洗ってくれた後
(たいていの場合、お皿は彼女が率先して洗ってくれました。)私は部屋へ引っ込む、彼女は一人でテレビを
少し見た後、部屋へ引っ込むという日々でした。
最近、ジロベェから聞いた話ですが、ホームスティに来る人は、話したいと思っていても、自分から話題を
持ち出すほどの語学力がない場合が多く、(多くは自信がないためらしい。それはそうだろう、十分に話せない
から、その練習のためにくるわけだから。)いきおい、だまりこむことになりがちになるそうな。(ラジヲ番組への
投稿からジロベェがしったそうです。)ベネちゃんの場合も、この傾向が結構さいごまで続きましたね。
お世話になった女神様方をお招きして、我が家で送別会を開いたときも、女神様方がお話になって、彼女は
だいたい、黙ってほほえんでいました。話せないわけではないのですが。
結論
話題を提供させようとするのでなく、こちらから色々質問してあげたら、よかった。自分の知っている自国の話なら
何とか、日本語で話すことができただろう。これからホーム・スティを受け入れられる方は、出身国の習慣とか、
日常とかを尋ねてあげるとよいと思います。まず、イタリアの話を聞いてあげてから、日本の場合を話すと良いと
思います。