6.書評、

     「チェーザレ・ボルジア、あるいは優雅なる冷酷」:塩野七生著、中央公論社

                        チェーザレは英語でシーザーという。ルネッサンス期のアレッサンドロ法王の息子である。
                        (カトリックの神父は結婚できない。だから当然子孫は残せない。彼は法王の子ではなく
           悪魔の息子といわれたのだが。)彼は父、法王の意を受け、分断状態のイタリアで
           教会領の拡大に奔走する。マキァベリは彼の中に理想の君主の素質を見出していた。
           彼の「君主論」はチェーザレのためにかかれたと言われている。

     「神の代理人」:塩野七生著、中央公論社

                        ボルジアの思想を理解するためにはこれを読む必要があるだろう。過ぎたる禁欲は
           不幸をもたらす。我々日本人にはとかく理解しがたい西洋におけるキリスト教の一面を
           かいまみさせてくれる。サン・マルコj修道院院長だったジロラモ・サボナローラ
                        との思想的対立の概要がフィレンツェの1市民の日記という形式をかりてかかれている。

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