イギリスにはウイスキー、ドイツにはビール、そしてイタリアはエスプレッソがある。
イタリア国中、石を投げれば当たるくらいたくさんのBarがある。そこで「Un Caffe!」
と言えば、エスプレッソが黙ってカウンターの貴方の前に30秒以内に置かれる。
ここで重要なのはイタリアでコーヒーと言えばエスプレッソを指し、わざわざ
エスプレッソと言う必要はない。また通常はカウンターで立ったまま飲むもので、
席には座らない。バールは朝から晩まで混んでいる。朝はサラリーマンが朝食に
立ち寄る。朝食の定番はカプッチーノにブリオッシュと呼ぶクロワッサン。会社の
同僚も立ち寄るから、一日の始まり前の情報交換の場でもある。
ランチもハムやチーズなど好みではさんだイタリア式サンドイッチPaninoが出る。
夕方は帰宅前に食前酒のアペリティーボを引っ掛けるサラリーマンもいる。日中にもエスプレッソを飲んで
息抜きに行くから、一日に数回は必ずいきつけのバールを利用することになる。
では家庭ではどのようにしてエスプレッソが飲まれているのでしょうか?
もっとも普及しているビアレッティ社によってデザインされた「モカ」と呼ばれる
アルミ製の八角形をした直火式ポットでしょう。サイズも2人前から多人数用まで
色々あり、どこでも手に入る。意匠登録などしていないのか同じデザインのものが
他社からも売り出されているが、オリジナルはヒゲを生やした小人のマークの
ビアレッティ社のものである。
コーヒー豆は市内のスーパーで
多種売られている。ブリック型のアルミ包装で真空パックになっており高級タイプ
のアラビカ100%のものが約6,000リラ(約350円)で日本よりはるかに安い。
ではこれで本物のエスプレッソが家庭で飲めるかというと、そうではない。
このポットでは圧力が掛けられないので、エスプレッソ風コーヒーが飲めるにすぎない。
正真正銘のエスプレッソはやはりバールに備え付けられた大きなエスプレッソマシン
で作り出される濃くてとろみのあるコーヒーを指すのである。沸騰寸前の熱湯を
9気圧で一瞬にして抽出するからこそ「特急」なのである。
イタリアのどこのエスプレッソが一番おいしいのでしょうか?ミラノは水がまずい
ので、やっぱり軍配はナポリだろうか?量もミラノに比べると半分くらいなので
とろみ具合もミラノの倍はある濃厚さです。
さて最近ミラノにエスプレッソが飲めないバールがVia
Doganaに出現した。
その名も「Jungle
Juice」と呼ぶジュースバーで、色々なくだものを自分の好みで
チョイスして、カロリー計算までやって飲ましてくれる。ミラノのファッション
関係のスノッブな連中が集まるらしい。イタリアも時代は21世紀に入ったようだ。