イタリア語禁句

       話し相手がクシャミをしたら、すかさずSalute!と言います。英語ではBless you!

      と同義語です。Saluteは「健康」だから「お大事に!」と思っていた。(実際、ある

伊和辞典にはそう説明されている)ところが欧米ではクシャミをすると悪魔が魂に

入り込むと言う習慣があり、それに対して「神のご加護を!」と言って悪魔が

取り付くのを防いであげる言葉です。だからクシャミをしてSalute!と言われたら

Grazieと返礼します。英語の場合、当然Thank you.です。外国語には日本で勉強

しているだけでは絶対に理解できない言い回し、習慣があります。

 イタリア語にも敬意語とか目上の人に使ってはよくない言葉もあります。混乱

乱雑な時に、大阪弁なら「ややこしいなあ!」とイタリア人が「Cashino !

とか「Che casino !」とよく言います。これは目上、年長の人には言わないほう

がよいと注意された。Confusioneを使うか、「Che pasticcio !」と言うべきらしい。

 英語で有名な“Son of a bitch !”はイタリア語でもそのまま”Filgio di puttana !”

言う。例の4文字語に相当するイタリア語は5文字になってしまうが“CAZZO !

は日常生活でもよく使われている。妙齢の美人にこれを使われると幻滅してしまう。

「あのバカ者めが!」とは”Testa di cazzo !“と言う。バカの意味で”Zucca”を使う

が、本来の意味は「かぼちゃ」だから日本人と同じ感覚かもしれない。私としては

バカというより、大阪弁の「アホ」が適訳だと思うが。日本人で「松岡」という

名前の人は注意するほうがよい。イタリア人にはZuccaと聞こえるらしい。

 その昔(戦前だと思うが)、皇族の方がイタリアを訪れ、大統領と会談した際、

通訳が「閣下!閣下!」と連発したそうな。これにはイタリア人も驚いた。

「うんこちゃん!」と呼ばれたのだから。(Cacca=大便)

ワインを乾杯する時は、通常Salute!と言います。文字通り「健康に祝杯を」の意味

だが“ちんちん(cin cin)”とも言う。これはガラスが触れ合う音を表現している

ので、決して別の意味ではありません。戻る