嘆きのキプロス島

ギリシアのロードス島へを訪れ感激したので、それよりもっと東のキプロスなら

もっとよいのではないかと期待をしても不思議ではないだろう。
 

正式名はキプロス共和国で独立国なのだが、目隠しして連れてこられたらギリシア

だと思ってしまうだろう。キプロスは朝鮮半島と同じように民族対立で南北に国境

があり北がトルコ、南がギリシャの後押しを受けている。このボーダーラインは

国連軍が駐留しており越境はできない。私が訪れたのは、国連で認められている

南キプロスで、北はトルコが占拠している状態になっている。
 

今回はミラノのツーリストでエーゲ海クルーズ付きのツアーを買った。メンバーは

全てイタリア人、常に一緒に行動した。日本人ファミリーが混じっていることに

彼らは何ら違和感がないようだ。
 

到着した翌日から2泊3日のエーゲ海クルーズだ。夕方の乗船でリマソールを

発ち翌朝はイスラエルに到着、キリストの誕生したベツレヘムとエルサレムを

貸切バスで一日観光する。木が全然生えていない、荒涼たる国土で、1月なのに

半袖で十分な気候だ。ユダヤ教徒の最大の聖地、嘆きの壁は男女別に区分けされて

いたが、イスラエルとパレスチナがこの街を物理的に区分けするのはどだい

無理な話だ。恐らく抗争は永遠に続くき、解決方法はないと思われる。夕方には船

に戻り、エジプトに向け出航する。
 

カジノやプールまで備えた豪華客船で乗客はアメリカ、ヨーロッパ、東南アジア、

世界中の旅行客が乗船している。さながら小さな地球村の様相だ。もちろん我が同胞、

日本人ツアーもしっかりとウエストポーチを腰に巻きつけてプラダのリュック姿で乗船していた。
 

翌朝はカイロだ。20台くらいの大型バスが国籍別(言語別)に並んでいた。

日本語バスもあったが、私はイタリア組のバスに乗り込んだ。 

いやはやカイロはさすがアフリカ大陸で暑かった。港から延々と直線の

ハイウエーで走る両側は赤茶色の砂漠だ。

カイロに到着するがバスのコンボイは止まらず、ギザのピラミッドに直行する。
 

カイロ市内を走っている間にビルの谷間からその、異様な三角錐が見え始めた。

それがピラミッドだった。ビルの高さと比べてもその偉大さが実感できる。

重さが10トンから15トンの何千、何万個の巨大な石を140mの高さに

積み揚げ、東西南北の方向,及び長さの誤差は1%以下だという。こんな精密な

建造物が4500年前に造られたことは信じられない。グラハム・ハンコックが

言うように、現在とは別の古代文明が存在したか、宇宙人が造ったとしか考えら

れない。キプロスへ帰る船旅の一夜で夢にスフインクスが出てきてうなされた。

(23Nov2000) 戻る