8月4日フリープランの日

この日はほぼ一日が自由行動日だったので、@デルフィの神殿 Aメテオラの岩の上の修道院 Bギリシア第二の都市、テサロニケ のいずれかに行きたかったのだが、まずAは無理、@もバスでの強行軍になる Bも乗り換えが多いのでリスクが大、ということで、ギリシアの鉄道に乗りにいくことにした。

アテネにも幾分慣れてきていたのでラリッサという駅からペロポネソス半島まで行くことにした。だがこれはロスの多い道中になってしまった。それを予測したわけではないけどペロポネソス半島の西端の鉄道の終点パトラではなく、コリントまでの往復にした。(パトラはアドリア海からくる船が真っ先につくギリシアの鉄道駅で、個人旅行を計画したとき、ここ経由でギリシアに入りたいと思っていたからだ。

ロスの原因
コリントまでに迷ったことの第一は、ラリッサの位置だった。ラリッサは鉄道駅の名前で、市電の駅の名と違う。推測しておりた市電乗り場で確認したらその前がラリッサ鉄道駅だった。
A鉄道、地下鉄網が結構複雑で、市内線と郊外線、港からの線などが入り組んでおり、途中の駅で降りて交差する高架橋をかなり歩かないといけなかった。(駅で親切なギリシア人が手振り、身振りを加えて忠告し,てくれたからからわかった.。)慣れぬ地で下調べもせずでかけるのはやはりリスクが大きい。

             
ギリシア国鉄               普通列車だけど中はきれい     コリント駅で万歳してしまった

バスよりもちろん早い。景色もよい。
帰りの電車まで余り時間がなかったので、駅の売店でパニーニ(ギリシアでは何と呼ぶのか知らないが楕円形のパンに具をいれたサンドイッチ)を買って電車に乗った。おいしくはなかったけど車中でお昼をとれたので時間の節約にはなった。

B帰りの乗換駅でまたまたミス。パトラ行のホームで電車を待っていたら、やってきた電車がしばらく止まった後とっとと市内へ向かって逆走して行ってしまった。終点駅でもないのに上りと下りを兼ねた線なんて日本ではありえないと思うんだけど・・・おかげで次の電車まで一時間待たなければならなくなった。そんな失敗も後で思い出すと楽しい。(私はどうも生来楽天家なのだろう。)

ギリシアの窮状
アテネ市内に帰り着いて、シンタグマ広場で衛兵交代をみて、デパートに靴を買いに行く途中若い浮浪者が歩道に倒れていた。(マクドナルドの紙コップを通行人のほうに差し出して)。う〜ん、聞きしにまさる窮状なのだなと胸が痛むと同時に彼が熱中症で命を落とさないかと心が痛んだ。

脱税し国外のあちこちに資産隠しをしている大金持ちも多いらしいが。自分で自分を守れる人には国とか祖国の存在は不要なのだろうか。国家というのは絶対必要な一種の互助組織だと思うのだけど。(イスラエルをみればそれがわかる。)

デパートで靴さがし
デパートで連れ合いの靴を買おうとあちこち探しまわったがギリシア人は足が大きいらしくて合うものがない。(なぜか連れ合いの靴はよく旅先で靴底がはがれる。これが日本が長年デフレから脱却できない理由かもしれない。)結局少年向けのスポーツシューズをかうことに。私も下着を買った。何とか英語がつうじて一安心。

パルテノン博物館へ
パルテノン神殿の近くにはパルテノン神殿の領域(神域)におかれていた神像や装飾品を収蔵した博物館があるので夕方の開館をまって見学に行った。一番みたかった5人の美しい乙女像の展示場所がわからず探し回ったがわからず、係員にきいても通じない。(電子辞書忘れた。)仕方がないので持っていたサインペンで掌に乙女像(確か巫女だと思った)の絵を描いて見せたらやっと意思がつうじて場所が分かった。



それにしても不思議なのは、ギリシアの彫刻をみると美男美女が多いのに市中にはお世辞にも美しいといえる人がいない。おまけに博物館の彫像の多くは鼻が欠けていたりむごたらしいものが多かった。ギリシア人がギリシアの神々をすて、キリスト教に改宗した後多神教の神像は迫害を受けたのかとも思う。

ギリシア正教とローマ・カトリックの違い
「その男ゾルバ」の映画を見、原作を読んで知ったのだけど、この二つの宗教は互いを異端とみなしているそうで、ローマ・カトリックの信者がギリシアで死んだら葬式もしてもらえないし、教会の墓地にも入れてもらえないそうだ。まったくの異教徒扱いらしい。「その男ゾルバ」の原作にはギリシア正教会の貪欲、修道院内の同性愛などの悪徳が書かれている。ギリシア正教の特徴の一つはラテン語を教会の公用語とせず教会の所在国の言語で説法をすることとかイコンを用いることのようだ。


夕食を食べようとぶらぶらしていたら又もやミストのでる店に行きついてしまったが、余りにもそれでは変化がなさすぎるのでLonly Planetご推奨と書かれた看板を出していた店で食べたがおいしいと思わなかった。ギリシア料理はおいしくないとの結論にいたる。ただし、冷やした白ワインは実においしい。

今度ギリシアに行く機会があったらリカヴェトの丘とメテオラに行ってみたい。でもやっぱり船での島めぐりあってのギリシア旅行だと思う。