あなたがミラノのホテルでエレベーターに乗り、2Fのボタンを押せば3Fに到着
する。イタリアに限らず欧州では日本の1Fはゼロ階となりボタンは0(ゼロ)を
押すことになる。イタリア語ではピアノテラと呼び地上階を意味する。よく考えれば
この方法が合理的なことに気づくでしょう。
イタリアの古い建物には今でも昔のまま旧式のエレベーターがあるが、
これは恐い!よく落ちるのだ。内部が結構な広さなのに定員は3人位いで、
「事故があっても管理者に責任ありません、あなたのリスクで乗りなさい」と表示
があったりする。木製の箱で、動くとギシギシ泣く、ときには階段で上がるほうが
早いときがある。こんなエレベーターの場合はドアを自分で開ける、降りる時も
必ず閉めることが義務付けられている。何でも自動と思っている日本人はよく
開けたままで降りてしまう、するとそのエレベーターの箱はその階に止まった
ままで動かない。日本のエレベーターとの違いはまだある。イタリアでは(閉)の
ボタンがないエレベーターがほとんどだ。せっかちな日本人旅行客がホテルで
なかなか閉まらないドアにいらいらして(閉)のボタンを探しまわるのは滑稽だ。
それと女性がいれば必ずレディーファーストで乗せること。これは100%守られて
いるので我勝ちに乗り込む日本人は恥ずかしい思いをする。我が同胞諸君!イタリア
でエレベーターに乗るときくらいは優雅にやろうではありませんか。
最新式のイタリアのエレベーターでもよく故障はする、それとガタガタとよく
揺れる、機械精度に甘さがあるのだろう、イタ車と同じだ。
日本のエレベーターが微動だもせず超高速でスムースに動く機械的精密さは驚きだ。
おそらく技術的には世界一だろう。
でもミラノのマリノスカラビルにあるような内部をモザイクタイルで仕上げた
芸術的昇降機は100年かかっても作れねえだろうな。