ミラノのアパルトメントに住む

ミラノは都会なので、一軒建てに住むことはまずない。お金持ちはドゥオモ

(街の中心)に近い由緒ある歴史的建造物の高層部部分のアパートに住み、週末は

郊外のセカンドハウスで過ごす。ミドルクラスはサンシーロ、この辺は競馬場と

サッカー場があり、洒落たテニスクラブもある緑の深い地域で日本人も多く住んでいる。

最近はミラノDueというモダンな居住区もできた。日本人は日本人学校に近い

バンデネレ地域に住むが、特に日本人村を形成しているわけでもない。
 

アパートを探す方法は二通りある。日本と同じように不動産屋に依頼する方法と、

もうひとつは、住みたい場所を決めたら、その地域をこまめに歩いてみる、

小さい張り紙で“貸家”(Affittasi)と出ており連絡先が書かれている。
 

家具付き、と家具なしがあり、家具付きの場合冷蔵庫、洗濯機やテレビ、

食器までついている場合もあり、その日から生活できるアパートもある。
 

日の当たる南向きはイタリア人は家具が傷むので忌避される傾向があるが、

日本人が南向きを探しているというと不思議に思われる。確かにイタリアの太陽光線

は刃物のように鋭利で、肌に突き刺さる。100SQM以上になるとトイレ風呂とも

来客用が別に付いている場合が多い。
 

豪華なアパートでもシャワーだけでバスタブのないものがあるので注意が必要だ。

日本人ならやっぱりどっぷり湯につかりたい。
 

リビングの床は大理石、壁、天井はしっかりコンクリートで日本のように合板作り

ではない。天井は3mくらいと高く、ハロゲンランプのスタンドを天井に向けて照射

して間接照明にするため真っ白い漆喰天井のところが多い。
 

ミラノの冬は寒いので、床暖房かスチームラジエターの暖房設備が必ずつくので、

部屋は快適で暖かい。
 

ミラノの夏は日本なみに暑いが、クーラー、エアコンが付いていない。貧しいから

ですって?いやいや夏の暑い時期はみんなバカンスに行くから冷房は必要ない

のです。
 

アパートの管理は日本のように管理会社が請け負っているわけではなく

個々のアパートに弁護士が管理者として任命されている。共用費の管理、

修繕分担金の割り振り、トラブルの仲介などに当たる。大きなアパートでは常駐の

管理人がおり、庭木の手入れ、ゴミ処理、また日中は不審者が私有地に入らない

ように監視している。ゴミは各階にダストシュートがついており、そこから投げ

入れると一階のゴミ集積所に落ちる仕組みになっている。
 

治安がよくないのでどこの家でもドアには3つくらい鍵がついていたりする。

それでも泥棒に入られる確率は高い。特に日本人は金持ちと見られているので被害

に遭いやすい。防犯を考えると建物がすぐ道路に面しておらず、内庭で隔てられて

いること、また3階以上が望ましい。古い建物は電気系統、水廻りに問題がある

ところが多く避けるほうがよい。
 

さて家主との賃貸交渉であるが、半分は現金、半分は小切手で払ってほしいと

言われる場合が多い、現金の分は税務署に申告しない脱税用です。従って、

契約書も公用向けのものと裏契約書と2通サインすることになる。

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